ブランドの魅力を詰め込んだ、ECサイトをコアとしたOMOを構築。多様化する業界でのプラス㈱ファニチャーカンパニーの挑戦
プラス株式会社 ファニチャーカンパニー
営業本部 eセールス事業部 事業部長
稲木 研二 様(写真右)
制作・開発:
株式会社イーシーキューブ
インテリア・日用雑貨
EC-CUBE公式アドバイザーに
ご相談いただけます
2024年に25周年を迎えたプラス株式会社様のECサイト「Garage(ガラージ)」は、「はたらくをたのしく」をコンセプトに、約1万点におよぶ機能性×耐久性を追求したアイテムをラインナップ。2018年のリニューアル以降、ECサイトとブランドサイトの顔をあわせ持つことで、ますます多くのファン顧客を獲得されています。
「当社のECサイトの立ち位置は、少し特殊かもしれません」そう語る稲木さんに、独自性あふれるWebサイトへの考え方、リニューアル前の課題やEC-CUBE導入で実現されたことなどお伺いしました。
お客様情報
プラス株式会社ファニチャーカンパニー
オフィスに関する家具、雑貨の製造・販売から空間デザイン、コンサルティングまで幅広く手がける。1999年に独自ブランドGarageを創設し、同時に独自の商品ラインナップを誇るECサイト「Garage(ガラージ)」を開設。
開発パートナー情報
株式会社イーシーキューブ
日本発ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」の開発元企業。特に大規模ECの支援を得意とし、コンサルティングから構築、運用に至るまでワンストップなEC支援サービスの提供が可能。
単なるECサイトではなく、オムニチャネルのコアな存在として
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プラス株式会社様のECサイト「Garage(ガラージ)」では、商品購入やレイアウト相談、読みもの記事など豊富なコンテンツがギュッと詰まっていますね。
- 稲木 様:
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当社は家具メーカーですが、Garageサイトでは「はたらくをたのしく」のテーマを実現するアイテム、サービスをさまざまに扱っており、家具やインテリア雑貨の販売はもちろん、オフィス空間のレイアウトデザイン、移転時のコンサルティングなども手がけます。
その魅力を伝えるべく、ネットショップのあり方は少し特徴があると自認していまして、それが「単なるECサイトではなく、一人の営業マンのように活躍してもらおう」という位置付けであることです。現在、Garageサイトは人が介在しない物販ビジネスに加えて、人が介在するオフィス物件ビジネスの窓口にもなっています。
この2つのカテゴリーを兼任している点でもECサイトとしては珍しいかと思いますが、私たちは、単なるECサイトではなくブランディングも担う存在として位置づけており、2022年に恵比寿ガーデンプレイスに開設したリアルショップ「ouchi GARAGE (おうちガラージ)」からもECサイトへ意欲的に誘導しています。
オムニチャネルを意識し、ECを中心に、ブランドサイト・Eコマース・リアルショップ・人介在ビジネス・卸事業といった業態の多様化を実現しています。
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商品だけでなく情報を届け、重要な顧客接点を担う。まさに営業マンとしての存在感ですね。
長年のサイト運営で蓄積した複数の課題を解決すべくリニューアルを実施
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プラス株式会社様では2018年のサイトリニューアル時にEC-CUBEを導入いただきました。当時の課題を教えてください。
- 稲木 様:
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Garageは1999年に事業立ち上げし、ほぼ同時期にECサイトをスタートしました。業界でもいち早い取り組みでしたが、長らくのインハウス運営に限界を感じてリニューアルを決行したのが2018年です。
当時の課題は、大きく5つ。
まず内製で最適化されていなかったためか、とにかくWeb解析がしにくく、改善点を把握することもままなりませんでした。次に、サイト管理のしづらさがありました。長年の積み重なりで、重複ページの存在や更新作業の煩雑さ、404ページの増殖などが目立つようになっていたのです。さらに、物理サーバの稼働が不安定になりつつあったのも一つ。
そして最大の課題が、これらを要因とする売り上げの低迷でした。コンバージョン率や離脱率が年々悪化しており、どこかで仕切り直し、中身を大きく変える必要があると考えていました。
最後に、これらの課題と並行して、顧客管理における状況改善、Amazonや楽天などECモールに出店するにあたってシステム全体の見直しも喫緊の課題となり……。フロントエンド、バックエンドともにプラットフォームの変更を迫られ、Webサイトリニューアルを検討。2019年にシステムの切り替えを実行しました。
パッケージより自由度が圧倒的に高く、スクラッチよりもコストパフォーマンスで優れる点に魅力を感じて
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さまざまな課題を抱える中、EC-CUBEを選んでいただいたのはなぜでしょう?
- 稲木 様:
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ひと言でいえば「抱えていた課題をおおむね改善してくれそうだ」と思えたからです。
はじめから決め打ちだったわけではなく、複数のEC構築プラットフォームを候補に挙げて比較検討しました。その中からEC-CUBEを選んだのは、パッケージシステムよりもカスタマイズ性に秀でていて、スクラッチ開発よりもコスト面のメリットが大きい点に魅力を感じたからです。個人様向けの通販や販売店様向けの卸販売など、複数の販売形態を有する私たちにとってカスタマイズ性の高さは必須条件でしたが、当然ながら予算には限りがあります。当時の課題の解決、さまざまな販売形態の実現に加え、純粋なEC機能だけでなくブランディングサイトの要素をふんだんに盛り込めるなど、求めていることが実現できてコスト的にも納得できるのがEC-CUBEでした。
リニューアルのEC構築は内製ではなくプロに任せようと考えていたところ、EC-CUBEのインテグレートパートナーとして有名だった旧ボクブロック(2022年に株式会社イーシーキューブと合併)さんと出会えたことも幸運でした。
現状、当時の課題はほぼ解決できたので、EC-CUBEを選んで良かったと思っています。
カスタマイズの追求で、お客様の購買体験をより快適なものに
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旧ECサイトの課題解決に役立ったとのことで、具体的にEC-CUBEのどういった機能をご活用いただいているのかご紹介ください。
- 稲木 様:
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運営ツールとの基幹システムの連携で運営負荷を軽減でき、これだけでも当時の課題解決に大きな前進になりました。加えて、EC-CUBEは私たちのメーカーとしての信念を実行できるツールでもあることが頼もしいですね。
Garageでは常に「お客様の想いをカタチに」の姿勢を第一にしています。それを実現するには、お客様のニーズをよりスムーズに、適切な価格でお届けすることがミッション。複数商品を一度に検索・カートインできるクイックオーダー機能や、最短お届け日を算出する機能のカスタマイズは、より良い顧客体験の創出に一役買っていると確信しています。私たちは卸販売も行っているので、機能拡張によって一つのサイト上で法人様の会員化や卸価格での販売、見積書発行などBtoBならではの手続きが可能になったことも嬉しいところです。
オムニチャネル化を押し進める中、リアルショップのPOSレジとEC-CUBEとのデータ連携でも有意義に働いていると思います。EC-CUBEは導入企業が多いので事例も豊富で、当社でアイデアが詰まったときに他社様の活用アイデアを参考にできる点もいいですね。開発パートナーからの提案の豊富さも含めて、EC-CUBEを選んで良かったと思います。
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今後のサイト運営、事業推進の展望をお聞かせください。
- 稲木 様:
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私たちの事業が目指すのは、オムニチャネルを超え、オンラインとオフラインが融合したOMOの実現です。その中でGarageサイトは、これまでECサイトとブランドサイト、2つの役割を込めて運営してきました。このバランスについて最善の着地点はまだ見つかっていません。
コロナ禍の2022年にはブランドサイト寄りの構成に再リニューアルし、現在に至るまでに売り上げは上がっていますが、この選択が本当に正解だったかどうかは検証を重ねる必要があると感じています。サイトデザインについては、もっとUIやUXを重視し、直感的に商品を選んでいただけるような工夫ができないかと考えているところです。プラグイン導入なども視野に入れ、理想のかたちを模索しながら引き続きカスタマイズしていきたいですね。
基幹データを保持しながらカスタマイズで工夫し、ECサイトを自分たちの理想に近付けていく。ディテールまでこだわりを反映できるEC-CUBEだからこそできることだと思うので、その強みを活かして当社の魅力をもっと詰め込み、差別化を押し進めていきたいです。
プラス株式会社の稲木様からは、長年の内製化によって凝り固まってしまったECサイトとしてのさまざまな課題がEC-CUBE導入で解決できた、という嬉しいお話を伺えました。
商品の魅力だけ、価格だけではネットショップは成功しません。
25年もの長きにわたってファン顧客を獲得されてきたのは、「お客様の想いをカタチに」との強い信念のもと、同社がさまざまに模索してきたからこそなのでしょう。
顧客接点を大切にするプラス株式会社様が、ユーザー目線の利便性をとことん追求しようとする意気込みを感じGarageサイトのさらなる発展が楽しみになりました。