ECとは?意味やEC通販ビジネスのメリットを解説!

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消費者として普段からECを使っていても、「ECとは何か」という問いに適切に答えられる方は少ないでしょう。

今回の記事では、ECの言葉の由来やECサイトとの違い、ECの種類、事業者と消費者視点でのECのメリットについて解説します。

これからEC事業の展開を検討している方、ECの基礎を知りたいと考えている方の参考になれば幸いです。

ECとは?

ECとはElectronic Commerceの略で、日本語で「電子商取引」と訳されます。使う人によっては、Eコマースという名称で呼ばれることもあります。ECを導入すると、オンラインで物やサービスの売買、契約、決済などが実施でき、実店舗を持たずとも事業展開が可能です。

ECは実店舗と比べて維持費用がかからず、低リスクで始められるのが特徴です。また、物理的な制約がなく、世界中のどこにいても出店できるのもメリットの1つといえるでしょう。

ECと聞くと、洋服や食べ物などを扱う通販サイトがまず思い浮かぶかもしれません。しかし実際は、物品だけでなく、オークション、旅行代理店、オンライントレード、コンテンツ配信など、各種サービスもECを介して売買されています。

多種多様な事業で導入されているECは、日本では1990年代後半に本格化しました。1997年に楽天市場がサービスを開始し、国内発の最初のECショッピングモールとなりました。

2000年代前半になると多数の企業がEC事業へ参入し、スマホの普及や社会全体のIT化に伴いEC利用者数も増加しました。

ECが私たちの生活やビジネスに欠かせない存在になる中、EC-CUBEは2006年にサービス提供を開始しました。「ECに色を」をコンセプトに、ASPより本格的に、有償パッケージより低価格にECサイトを構築できるECカートとして、多くの事業者に導入されています。その結果、今では日本で一番選ばれるオープンソースプラットフォームへと成長しました。

新型コロナウイルスの登場以降、社会全体の経済活動が大きく変化し、実店舗に行かず自宅からスマホでネットショッピングをせざるを得ない人が急増しました。これがEC化率を大きく伸ばす後押しとなり、今後ECに参入する事業者はますます増加することが予想されます。

経済産業省|令和2年度電子商取引に関する市場調査 報告書より

ここまででECの意味と大まかな歴史を確認しました。次に、ECの種類について解説します。ECは、BtoC、BtoB、CtoCの3種類に分類できます。ここでは3つのタイプの意味や特徴、市場規模、EC化率、現在の傾向をお伝えしていきます。

BtoC-EC(Business to Consumer)

BtoC-ECとは、企業が一般の消費者に対して商品やサービスを提供する電子商取引です。食料品、旅行チケット、電子書籍など豊富なジャンルで取引がされています。

BtoC-ECには大きく分けて、自社ECサイトとECモールの2つのタイプがあります。自社ECサイトは、ユニクロや無印良品のECサイトのように、独自ドメインでECサイトを運営します。一方、ECモールは楽天市場やAmazonのように、複数のショップで形成されるECサイトです。1つのECモールにさまざまな店舗が出店しているため、オンライン上の百貨店のような役割があります。

物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移
経済産業省|令和2年度電子商取引に関する市場調査 報告書より

経済産業省の調査によると、日本のBtoC-EC市場規模は12兆2,333億円(2020年現在)で、7年間で約2倍に拡大しました。また、EC化率は8.08%で、まだまだ成長傾向にあります。市場規模やEC化率が増加した理由として、コロナ禍で政府が「待てる買い物は通販で」とECを推奨した背景が挙げられるでしょう。自粛期間中に拡大したフードデリバリー事業もBtoC-ECに含まれ、規模拡大を後押ししたと考えられます。

BtoB-EC(Business to Business)

BtoB-ECとは、企業同士で商品やサービスの取引を行う電子商取引です。原材料やオフィス備品、クラウドサービスなどが取り扱われます。実は、BtoBの方がBtoCよりも圧倒的に市場規模が大きく、334兆9,106億円となっています(2020年現在)。EC化率は33.5%で、前年よりも増加傾向にあります。

BtoB-EC市場規模の推移
経済産業省|令和2年度電子商取引に関する市場調査 報告書より

BtoB-ECでは、小売、建設・不動産、情報通信といった分野で市場規模が拡大しているのが特徴です。現在、DX化が進み業務のデジタル化、働き方改革の実施でクラウドサービスやプラットフォームを提供するSaaS型ビジネスが普及しています。その結果、特に情報通信の分野で取引が拡大傾向にあるようです。

CtoC-EC(Consumer to Consumer)

CtoC-ECとは、個人間の電子商取引です。フリマアプリやハンドメイド販売サイト、スキルシェアサイトなどを利用し、消費者が消費者に対して商品やサービスを売買します。企業は個人間で取引できるオンライン上の仕組みを提供し、中間業者として手数料を受け取ります。メルカリ、minne、ヤフオク、ココナラなどがCtoC-ECの一例です。

CtoC-ECの市場規模は1兆9,586億円で、前年比で12.5%増と数字を大きく伸ばしています(2020年現在)。その背景として、コロナ禍でステイホームを余儀なくされた消費者が、家にある物を整理しフリマアプリでの売買を活発化させた点があります。また、在宅勤務が増え隙間時間に副業をする人が増加し、スキルシェアサービス利用者数が多くなったことも市場規模拡大に貢献したと考えられるでしょう。

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ECサイトとは?

ECについて調べる中で「ECとECサイトとの違いがわからない」と疑問を抱く方もいるのではないでしょうか?ECサイトとは、電子商取引(EC)を取り扱うウェブサイトを総称する用語です。つまり、通販、オークション、旅行代理店、オンライントレード、コンテンツ配信サイトなどが含まれるのが本来の意味合いです。しかし実際は、物販のネットショップに限定して使われる傾向があります。時と場合によっては、通販サイト、オンラインショップサイトなど、さまざまな呼び方がありますが、すべて同義語です。目的や業種に応じて呼び方を変えると良いでしょう。

ショッピングがWeb上でできるECサイトには、大きく分けて自社ECサイトとECモールがあります。それぞれの概要の説明やメリット・デメリットを、表にまとめました。

自社ECサイト ECモール
概要 ・独自ドメイン(インターネット上の住所)を取得し、ECサイトを構築・運営するサイト
例:無印良品、ユニクロなど
・多数のショップが単一のドメイン下に集まるサイト例:楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど
メリット ・オリジナリティを出しやすく、ブランディングできる
・ASPやパッケージ利用で短期間でサイト構築ができる
・フォーマット利用で簡単にショップを開設できる
・ランニングコストが自社ECサイトより安くなることも
デメリット ・集客が難しく、軌道に乗るまで時間がかかる恐れがある ・オリジナリティを出しにくい
・規約や手数料などの変更があると影響を受けやすい

また、自社ECサイトとECモールに共通した主な機能は、以下の通りです。

機能 内容
受注管理システム 受注から出荷までのプロセスを管理できるシステム
ショッピングカート 商品購入時に、金額計算、決済、注文確認メールの自動送信などができるシステム
決済サービス クレジットカード決済、コンビニ決済、代金引換、銀行振込などの決済機能
セキュリティ 個人情報を保護するSSL(暗号化通信)など

そのほか、CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携、スマホアプリの開発などを取り入れるECサイトがあります。予算や目的に応じて、採用するか検討しましょう。

ECの事業者のメリット

実店舗がなくてもビジネスが展開できる

実店舗を持たなくても、ビジネスを始められるのがメリットの1つです。実店舗の出店にかかる初期費用、人件費や間接コストといった維持費用が不要となります。さらに、自宅や好きな場所でビジネスを拡充できるため、日本にいながら商圏を拡大できる点も魅力の1つです。

24時間365日対応できる

ECは実店舗のようにスタッフの常駐が必要ないため、24時間365日いつでも営業できるのが特徴です。営業時間を設けなくて良いというのは、売上拡大が期待できるでしょう。

最近ではオンライン上の顧客対応ツールとして、チャットボットを導入するECサイトが増えています。Q&A形式の簡単な質問なら、スタッフによる対応ができない時間帯でもチャットボットが解決してくれます。

人的ミスを削減できる

ECサイトでは、スタッフによる作業ミスを減らせるのもメリットの1つです。実店舗だと、電話やFAX、メールで商品を受注したとき、合計金額の計算や伝票の作成など、手作業が多くミスが発生しやすくなります。一方、ECサイトのショッピングカートや決済サービス、受注管理システムを活用することで、そのようなミスを削減できるでしょう。スタッフの業務負担も減り、よりコア業務に人材リソースを活用できます。

顧客データを取得できる

ECサイトでは、実店舗で取得が難しい顧客情報を取得しやすいというメリットがあります。実店舗では代金が支払われる際にPOSを使い「どのくらいの年代の人がいつ、何を、何個購入したか」といった基本情報程度のみデータが取得できます。 一方で、ECサイトでは氏名や住所、電話番号、クレジットカード情報といった個人情報まで取得が可能です。さらに、解析ツールを用いて顧客がどのWebページを長く閲覧しているかなど、詳細な顧客行動も把握できます。ECサイトで集めた顧客データを分析すれば、再購入の促進や新商品プロモーションなどにも利用ができます。

また、顧客データがあれば消費者の育成にも役立ちます。具体的には、カートに商品を入れたままになっている消費者に対しメールを送り購入を促したり、新しい商品の紹介をすることでリピート購入につなげることが可能です。

以上のように、取得した顧客データは多様なマーケティング施策に利用可能です。MAツールやCRMと連携し、現在の顧客データから次の売上やビジネス機会を創出することができます。

検索エンジンから新規顧客を獲得できる

実店舗の場合は、主に近隣住民をターゲットに集客します。地域によっては人口が少なく、集客が困難になりかねません。その点ECサイトは、検索エンジンから新規顧客を呼び込めます。ECサイト自体を知らなくても、検索結果に表示されたリンクから見つけてもらうことが可能だからです。自社商品と関連性の高いキーワード検索で、ECサイトが上位表示されるようSEO対策を行えば、アクセス数が増加し集客力を高められるでしょう。

オンライン上で集客するには、消費者とタッチポイントを増やすことが重要です。SEO対策と合わせてSNSを運営し、消費者とコミュニケーションを取ると効果的でしょう。

消費者の要求に迅速に対応できる

ECサイトでは、合理化されたロジスティクスや配送システムが利用できます。つまり、消費者の注文を効率的に配送でき、顧客満足度の向上につながります。配送だけでなく、返品管理、代替品の提供など、迅速な対応が可能です。

また、在庫切れの商品があったとしても、「入荷したら通知する」ボタンを設置し消費者が通知をONにすれば、入荷後すぐに提供できます。事業者側にとっては、どの商品を再入荷する必要があるか把握できるので、顧客需要をスピーディに満たせます。

ECの消費者のメリット

自宅から買い物ができる

消費者はECサイトを利用することで、自宅にいながら欲しい物が手に入ります。実店舗に行く必要がないため、国内だけでなく海外の商品も購入可能です。

総務省の調査によると、個人のインターネットの利用目的として「商品・サービスの購入・取引」と答えた人は半数以上であることがわかりました。スマホを使えば自宅だけでなく好きな場所から買い物できるので、さらに利便性が高まります。

インターネット利用者の利用目的

最安値の商品を見つけやすい

オンラインショッピングは実店舗より低価格の商品を見つけやすいのが、メリットの1つです。インターネット検索で複数のECサイトで価格を比較すれば、最安値の商品を購入できるでしょう。各ECサイトで提供されているポイントやクーポン、セールも利用すると、お得に買い物できます。

配送無料サービスを利用できる

ECサイトによっては、配送無料サービスを利用できることがあります。流通経済研究所主催のネットショッパー研究会の調査によると、ECショップを利用する際ユーザーの約5割が「(食品の購入時に)配送料がかからない」点を重視していることがわかりました。「〇円以上の購入で送料が無料」「定期便の利用で送料無料」といった配送無料サービスを利用すれば、コストをおさえて買い物ができます。また、商品を取りに行く必要がないため時間の節約にもなるでしょう。

決済手段が豊富にある

ECサイトの決済手段は実店舗よりも豊富に用意されている点も、消費者にとってメリットです。主な決済手段として、クレジットカード、キャッシュレス決済、ポイント払いがあります。さらに、Amazonや楽天のID決済が導入されていれば、ECサイトごとにアカウントを作成しなくても支払いが可能です。また、クレジットカードを作成できない未成年向けに後払い対応をしているECサイトも近年は増加しています。

オムニチャネルで新しい買い物体験ができる

オムニチャネルが生まれたことで、消費者はリアルとオンラインのどちらも利用して買い物できるようになりました。オムニ(Omni)とは「すべて」、チャネル(Channel)とは「経路」という意味で、オムニチャネルは「すべての流通経路を統合させた状態」です。

具体的には、実店舗で見つけた欲しい商品が在庫切れの場合、スマホからECサイトにアクセスすれば在庫を確認して、その場で購入できます。また、消費者がECサイトで見つけた商品を実店舗で受け取ることもできます。オムニチャネルで消費者の利便性が高まり、新しい消費行動や購買体験が生まれ、経済を活性化させていくという循環が生まれます。

まとめ

今回の記事では、ECとは何か、意味や種類、通販ビジネスのメリットを事業者と消費者の両方の視点から解説しました。改めてECサイトについて基礎知識を見直すことで、EC事業に参入する価値はあるか、どのような種類のECサイトを構築すれば良いか、判断できるでしょう。現状として、BtoC、BtoB、CtoCのどの市場も規模やEC化率が拡大しており、今後さらなる成長が期待できます。また、ECサイトの種類については、オリジナリティを出してサイト構築をしたいなら自社ECサイト、サイト構築が手間で面倒な方は、既存のシステムやデザインテンプレートを使ってサイト運営が可能なECモールがおすすめです。

ECサイトの構築ならEC-CUBEがおすすめ

令和2年度の経済産業省の調査によると、日本のBtoCのEC化率は8.08%で、世界全体のEC化率21.8%と比較するとまだまだ低い水準です。したがって、国内でEC化を進める余地はまだ充分にあるといえます。

そこで自社ECサイトを構築するなら、本格的なネットショップをオープンできるEC-CUBEをご利用ください。メンテナンス不要のクラウド版「ec-cube.co」、カスタマイズが簡単なダウンロード版「EC-CUBE4」から選択できます。

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EC-CUBEでは、ECに必要な基本機能は標準搭載されています。追加機能はプラグインで提供されており、必要な機能だけをコーディング無しで手軽に導入することができます。プラグインは決済、デザインテンプレート、集客、顧客管理、販促など300種類以上ご用意しています。

ECサイトは顧客のニーズ変化に適応し続けるために、優先すべき機能が変化していきます。3〜5年の長期スパンで考えると、必要な機能を随時追加でき、不要な機能を手軽に廃止することができるプログラムが求められます。開発コミュニティの活動も活発に行われており、最新機能を搭載したバージョンが順次公開されている点も、担当者にとっては嬉しい点ではないでしょうか。

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この記事を書いた人

株式会社イーシーキューブ

ECサイトを新しく立ち上げたい、ECサイトの運営について詳しく知りたい、そんな方にお役立ちする情報を分かりやすく解説し、発信しています。

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