EC開業・運営ノウハウ
ECサイトをASPで構築するメリット・デメリットとは?特徴や料金を比較

ECサイトをASPで構築するメリット・デメリットとは?特徴や料金を比較

ECサイトにおけるASPカートシステムとは?

ECサイトをはじめる上で、「Webデザインやプログラミングの知識がない...」「売上が上がるかわからないので、初期費用をできるだけ抑えたい...」といった不安がある方も多いと思います。 ECサイト構築を「0からプログラミングして開発しないといけない」と思い込んでいませんか?ASPカートシステムを使えば、プログラミング不要・低額で誰でもECサイトを制作できます。社内に専任のエンジニアがいない、予算が少ない法人企業でも、ASPを有効活用することで月商1,000万円以上を目指すことも可能です。

この記事ではASPのサービス比較と、導入・運用でのメリットとデメリット、気をつけるポイントを解説します。ASPを使ってECサイトを始めようとお考えの方の参考になれば幸いです。

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目次アイコン もくじ

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ASPとは?

ASPとは”Application Service Provider”の略称で、ソフトをPCにインストールせず、クラウド上でプログラムにアクセスし、ソフトウェアを利用できる仕組みです。財務会計、給与計算、グループウェアなど多様なサービスがあります。GmailなどもASPの1つです。

ECサイト向けのASPは「ASPカート」と呼ばれる、カゴ(購入・決済)機能を中心にしたサービスです。EC業務を行う上での最低限の機能が初期設定で備わっており、Webの知識が無い初心者にもおすすめです。ソフトウェアのカスタマイズや、ドメイン・サーバ手配、システムメンテナンスなども不要です。

また、費用がリーズナブルな点が最大の魅力です。初期費用・月額費用が無料で利用できるASPサービスも多くあります。はじめてのECサイト構築には最適な手段の1つです。

ASPにはどんなサービスがあるの?

ここからは代表的なASPサービスを紹介していきます。ASPには有料・無料の2種類があります。個人事業主や小規模事業者で、月商1,000万円未満の規模でEC販売をする場合には無料版から利用するのがよいでしょう。一方で、月商1,000万円を超える規模でビジネスを考えている法人の場合、有料版(エンタープライズ版)を推奨します。下記にてec-cube.co、BASE、MakeShopの3サービスを紹介していきます。

▼主要ASPサービス料金比較

  ec-cube.co ※ただいま新サービス準備のため新規受付は停止中です。 BASE MakeShop
プラン クラウド版
Standardプラン
- エンタープライズ
初期費用 ¥70,000 ¥0 ¥110,000
月額費用 ¥49,800~¥84,800 ¥0 ¥55,000
決済手数料 3.5%〜 3.6%+40円 3.14%~
サービス利用手数料 0% 3.0% 0%
おすすめの売上規模 月商450万円以上 月商100万円未満 月商100万円以上

EC-CUBE(ec-cube.co)

35,000以上のECサイトが利用しているプラットフォーム。月商1,000万円以上のネットショップ利用店舗数No.1のEC構築システムです。

EC-CUBEのクラウド版「ec-cube.co」では通常プラグインでは実装が難しい、独自カスタマイズのショップ構築が可能です。デザインのカスタマイズ性が非常に高く、ステージング環境も提供されています。

将来的には月商450万円以上を目指すのであれば、クラウド版のStandardプランがおすすめ。システム利用料は月額84,800円が上限金額となっているため、月商450万円以上であればStandardプラン、それ以下の売上の場合はLiteプランや他社ASPの方がコストは抑えられるでしょう。

※ただいまec-cube.coは、新サービス準備のため新規受付は停止中です。

BASE

160万以上のショップと、800万以上のユーザーが利用する大手ASPカート。多様な決済手段への対応、拡張機能のAppの充実度が特徴です。Web知識なしでも利用しやすい、シンプルなUIになっています。

1回の注文で、6.6%+40円の手数料が発生します。月商100万円未満のビジネス規模であれば、BASEがもっともコストパフォーマンスがよいASPの1つと言えるでしょう。一方で1,000万円を超える規模に拡大する場合、手数料が他社ASPよりも高くなるデメリットがあります。

Makeshop

ショップ売上9年連続No.1のECサイト開設サービスです。販売手数料0円、カード手数料3.14%〜と業界最安水準が魅力です。法人向けのエンタープライズ版は初期費用が110,000円発生しますが、月額費用がリーズナブルなため月商100万円以上を目指すのであれば他ASPよりもコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。電話でのサポートを行なっており、事業者向けのサポートが手厚いのも特徴です。

ECサイトをASPカートで構築するメリット・デメリット

ECサイトをはじめる上で、ASPカートはシステム構築の1つの手段でしかありません。その他、ECパッケージを利用したり、自社の業務に最適なシステムをオーダーメイドで開発したりという選択肢があります。ASPのメリットとデメリットを理解して、ASPを選ぶべき理由と最適なASPの選び方を考えていきましょう。

導入時のメリット・デメリット

ASPカートは導入時のコストやスピード感などに大きなメリットがあります。一方でコストだけを最優先にすることでのデメリットもあります。「まずは固定費の一番かからないASPを導入しよう」と決めつけずに、カスタマイズ性や機能性も吟味しましょう。

導入時のメリット

初期費用を抑えられる

ASPは、まず費用面でのメリットが非常に大きいサービスと言えます。導入費が高額なECパッケージやスクラッチ開発の場合、社内の稟議が通らないケースもあるでしょう。ECサイト立ち上げ時は売上規模の見通しが立ちにくいです。初期費用が無料または低額、かつ以後の解約手数料など負債が発生しないのも嬉しいポイントです。

設定作業の手間が少ない

ASPはサイトのデザインテンプレート、商品登録、決済・配送設定などが体系化されており、ガイドに沿って作業をしていけば設定がスムーズに完了します。自社でシステムを開発した場合には、初期設定が複雑で労力がかかってしまう場合があります。労力と時間を削減するという目的でもメリットは大きいです。

導入時のデメリット

サポートが不十分

出店者向けのサポート・問い合わせ対応が充実していないASPは少なくありません。FAQページがあっても、電話や有人チャットでの丁寧な設定サポートは期待できないでしょう。 導入や設定でわからないことを専門家に都度確認しながら進めたい担当者には不向きかもしれません。

運用時のメリット・デメリット

無事にECサイトを開設できた後、運用のしやすさにもASPの利点が多くあります。一方で、導入時には気がつかなかったデメリットや運用しづらさも。運用時のメリット、デメリットを紹介していきます。

運用時のメリット

常に最新機能が使える

サービス提供者側で機能リリースやアップデートを行うため、ユーザー側では常に最新機能が使える状態が維持されます。ECは、顧客や社会の変化に適応していくことが求められます。ASPサービス提供者側も、ニーズに合った機能を出し続けないとネットショップ側が離れてしまいます。従って、EC事業者が自社だけでは対応できない最新機能を、ASP側が代わりに開発・運用してくれます。

管理画面が使いやすい。商品登録など操作が簡単

管理画面がシンプルで、商品登録作業の手間やストレスを軽減してくれます。自社でシステムを開発すると、商品登録のしづらさやストレスが増えることもあります。ASP側でもできるだけ商品登録をしやすく、たくさん出品してもらえるような設計にしています。商品の数が増えるとユーザーのアクセス数も増え、また、注文数が増えるほど決済手数料も増えるためです。

セキュリティ対策、システムメンテナンスが不要

プラットフォーム側でセキュリティ対策やシステムメンテナンスを行うため、ユーザー側では対応が不要です。セキュリティ対策にかかるコストや不安を削減できます。システム不具合時は、全ユーザーに多大な影響が出るリスクがあります。ASPサービス側が迅速に復旧をしてくれるのもメリットです。もし自社でサーバトラブルやシステムエラーを復旧するには、現状調査から原因追求だけでも作業工数が見えず、甚大な損失に繋がる可能性があります。

運用時のデメリット

売上規模が拡大すると、ランニングコストが見合わなくなる

固定の月額利用料に加え、販売手数料やサービス利用料が従量課金で発生します。一定以上の売上を超えると、パッケージやスクラッチ開発よりもランニングコストが上がってしまいます。たとえば、BASEは初期費用と月額費用が無料ですが、注文件数が増えるほど手数料が上がっていきます。導入時は費用対効果が高いプラットフォームでも、月商が100万円、1,000万円と成長していくことを試算しておきましょう。

独自のカスタマイズができない

一般的に、ASPは顧客(事業者)に対して共通のプラットフォームを利用してもらう都合で、サイトの仕様・デザインのカスタマイズに制限があります。たとえば、TOPページデザイン、検索結果ページ・商品ページの見せ方を工夫したくても、制限があり実現が難しいケースがよくあります。導入前に、参考にしているECサイトのデザインや機能をイメージして、ASPで本当にそれが対応できるのか確認しましょう。ASPは拡張機能のプラグインやアプリケーションを豊富に提供しています。それらも併せてチェックしておくとよいでしょう。

集客やマーケティングを自社で行う必要がある
集客やマーケティングは自社で行う必要があるため、ECサイト開設後にすぐに売上に繋がりにくいデメリットがあります。ASPはあくまでテンプレート化したソフトウェアを提供しているだけであり、楽天やAmazonのようにECモール全体でのセールイベントなどは開催されません。SEO対策も自社で行う必要があります。広告費など、サイト集客にかかる費用はASP費用と別で収支計画に盛り込んでおくとよいかもしれません。

ASPカートを導入する際に押さえておきたいポイントや注意点

手軽にはじめられるASPにもいくつか注意点があります。「取り急ぎ」ASPカートでECサイトを構築したものの、サイト運営がうまく継続できない事業者も少なくありません。2021年のネオマーケティング社の調査結果(※)によると、EC運営者の悩みは「新規顧客獲得」「運用リソース不足」が全体の30%を占めています。ASP導入時に知らなかったことで後から損をしないように、押さえておくべきポイントを確認しましょう。

(※)参照:20歳~69歳の男女743人に聞いた「EC運用の悩みに関する調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000003149.html

導入する前に押さえておくべきこと

予算・スケジュールはどのくらいかかるか?

「ASPは低コストで始められて、導入も早い」と思い込んでいませんか?たしかに利便性は高いものの、現実的にはサイト開設までに費用も時間もかかります。特にECサイトをオープンするまでには、商品登録や決済・配送設定をするだけでなく、実際に問い合わせが発生した際、注文を受けた際などのオペレーションも確認しておかないといけません。それに伴い、追加機能や外注サービスの契約が必要になってくることもあるでしょう。

初期に見積もっていたよりも、ランニングコストが増えてしまうことも往々にしてあります。
想定外に起こるであろうことも加味して、予算・スケジュールを引いて準備を進めていくことも大事です。

社内に運用体制があるか?

ASP利用有無に限った話ではありませんが、社内でEC運用体制が確保できるかを真剣に考えましょう。経営者がEC責任者を兼務している場合、多忙で徐々に運用が回らなくなってしまいます。専任担当を最低1名でも確保しておくことが望ましいでしょう。サイト開設後は想定外の対応が増えるため、予め運用のシミュレーションもしておいてください。

カスタマイズ性は十分か?

ECサイトに実装したい機能やデザインがきちんと反映できそうかもポイントです。ASPの無料や低額プランではカスタマイズ性が低いことが多くあります。外部システムとの連携も限られてしまうケースがあります。貴方がお手本にしているオンラインショップのサイトデザインや見せ方が、ASPサービスで実現できるのかは事前に確認しておきましょう。

商品登録数に制限はないか?

ASPのプランによっては、商品登録数に制限があるので要注意です。近年では、無制限ないしは数万点までは商品登録できるサービスが増えています。型番の仕入れ商品を扱っている企業はカラーやサイズが豊富になるほど商品点数も増えますので、念のため確認すべきでしょう。

顧客情報の管理、運用は大丈夫か?

ECを運用していく中でリピート顧客をどのように獲得していくかが至上命題になります。低額プランのASPでは、取得できる顧客情報が少なかったり、顧客グルーピング・メール配信などのCRM機能の一部が不十分であったりすることがあります。

拡張機能や外部システムを使って補うこともできますが、ASP単体でどこまで対応できるか把握しておきましょう。柔軟で効率的な顧客コミュニケーション・顧客管理ができるかは、見落しがちなポイントの1つです。

注意点

その他のASPの注意点としては、インターネット経由でしか利用できない点です。社内ネットワークやオフラインなど、インターネットを介さずに利用できません。それに伴い、セキュリティ面もやや不安な点と言えます。

インターネットを経由してのウィルス感染、不正アクセスのリスクがあります。かつ、サーバーはASPサービス提供会社が運用・保守をしているので、自身では対策を講じるのが難しいという前提があります。コンプライアンスや情報管理が厳しい企業の場合は、情報システム部門と事前にセキュリティ要件を確認しておくことをお勧めします。

まとめ

この記事では、ECサイトをASPで構築するメリット・デメリット、料金・特徴の比較をしてきました。はじめてECサイトを運営する方にとっては、ASPは相性が良い選択肢です。ASP以外にはECパッケージ、スクラッチ開発での自社EC構築、およびECモール出店などの手法があります。下記のような特徴にあてはまる方は、ASP導入を検討することをおすすめします。

ASPカートはこんな人におすすめ

①導入の手間をかけず、できるだけスピーディーにECサイトを開設したい

はじめてECサイトを運営する初心者で、導入の手間も時間もかけたくない方にASPは最適でしょう。人的リソースが少ないスタートアップや中小企業では、ASPを使わずにスムーズにECサイトを構築するのは現実的に難易度が高いと言えます。

②初期費用、月額費用をできるだけ抑えたい人

初期費用ならびに毎月の固定費用をできるだけ削減したい方にもASPが向いています。パッケージやフルスクラッチ開発の場合、サイトをローンチするまでに莫大な費用が発生します。短期〜中期での費用対効果を考えると、ASPを選ばざるを得ない企業がほとんどでしょう。

③WebやECの知見に乏しい

WebやECのリテラシーがあまり高くない、HTMLやCSSはさっぱりわからないという、担当者にもASPカートが向いています。あるゆるデザインや機能がテンプレート化されており、コーディング不要でカスタマイズもできるためです。しかし、前述の通りカスタマイズ性が低いASPが多いため、将来的に実装したい機能が多岐にわたるようであれば、ECパッケージやスクラッチでの開発も視野に入れましょう。

はじめてECサイトを導入するにはEC-CUBEがおすすめ

EC-CUBEは、月商1,000万円以上のEC事業者で利用数No.1

EC-CUBEは、月商1,000万円以上のネットショップ利用店舗数No.1のEC構築システムです。商品や販売方法にこだわりをもった個性的なネットショップに多く利用されている「EC-CUBE」は2006年リリースの人気のロングセラーカートです。

※ 独立行政法人情報処理推進機構の「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」において、EC構築オープンソースとして国内 No.1シェアを獲得しました。

※ ECマーケティング株式会社が行ったネットショップ動向調査において「月商1000万円以上で利用されているカートシステム」利用数にてNo.1を獲得。

EC-CUBEはカスタマイズ・拡張性が高く、長期的なECサイト構築向き

EC-CUBEでは、ECに必要な基本機能は標準搭載されているだけでなく、決済、デザインテンプレート、集客、顧客管理、販促など300種類以上用意されています。

また、登録会員者6.4万人が利用するEC-CUBE開発コミュニティが、ユーザーのECサイト運営をサポート。Slack・ユーザーグループの勉強会・ガイドブック等も充実しています。

ECのその先へ。EC-CUBEでは競争優位性の高い独自プラットフォームの構築が可能です。

EC-CUBEのカスタマイズ性・拡張性は無限です。事業デザインに合わせて外部サービスや基幹システムと柔軟に連携し、やりたいことを追求した継続性の高いシステム構築が可能です。

また、オープンソースであるため、顧客・購買データや知財・権利を自社で保有でき、デジタル資産を核とした継続性の高い独自プラットフォームを構築することができます。徹底した情報公開方針のもと、絶えず変化するコンプライアンスニーズに応じたセキュリティ対策を実施できることも大きな特徴です。

運用コスト・業務負荷を削減し、競争優位性の高いシステムによって売上アップを目指したい事業者に、EC-CUBEは特におすすめです。

この記事を書いた人
EC-CUBE編集部
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